医療事務の方からの話し
初めての面会時には、各科の医師と刑事さんたちの他に、医療事務の方からの話しもあった。
事務の○○です。
と自己紹介があったとき、身元不明人としての入院だったため、改めて入院手続きをするのだろう、ぐらいにしか考えていなかった。
実はですね・・・
と言いづらそうに事務の方は口を開いた。
自殺未遂は健康保険適用外なんですよね。故意によるケガは含まれないんですよ。
知らなかった。
集中治療室に呼吸器に手術に・・・一体全体いくらかかるのだろうか。
一瞬血の気が引いた。
事務の方は続けて、
ただ、精神疾患が元で今回のことにつながった、というのが審査で認められれば家族負担額でいけます。そのために、治療チームには精神科の先生も入っていただいています。
レセプト審査通過するまで緊張は続く。
自殺未遂者には保険が下りない、が定説のネット
主人も気になっていろいろとネットで情報収集をしていた。
平成22(西暦2010)年5月28日付けで厚生労働省から以下の通知が出ている。
報道関係者各位
自殺未遂による傷病に係る保険給付等について
標記については、平成22年5月21日付で、保険者に対して別紙の通り通知を発出しましたので、併せて公表いたします。
なお、本通知は、厚生労働省ホームページの「厚生労働省法令等データベースサービス」においても掲載しております。
また、別紙のPDFから一部抜粋したものが下記である。
自殺未遂による傷病に係る保険給付等について
健康保険法(大正11年法律第70号)、船員保険法(昭和14年法律第73号)、
国民健康保険法(昭和33年法律第192号)及び高齢者の医療の確保に関する法律
(昭和57年法律第80号)では、故意に給付事由を生じさせた場合は、その給付事
由についての保険給付等は行わないことと規定していますが、自殺未遂による傷病に
ついて、その傷病の発生が精神疾患等に起因するものと認められる場合は、「故意」
に給付事由を生じさせたことに当たらず、保険給付等の対象としております。
今般、この取扱いについて改めて周知しますので、適切に対応していただくととも
に、都道府県国民健康保険主管課(部)におかれましては、管内の保険者等に対して、
都道府県後期高齢者医療主管課(部)におかれましては、管内の市町村後期高齢者医
療主管課(部)に対して、周知をお願いいたします。
ネットにはYahoo!知恵袋などでもたくさんこの話題を見ることができた。
自分の子どもが今回のようなことをしない限り、知らないことだった。
大切な家族が自殺未遂をして、私たちもいろいろと消耗しているのだ。
いろんなページを見るよりも、上記の厚生労働省のページや、日本医事新報社の記事、
が参考になると思う。
こういったページだけとりあえず目を通しておけばよいのではないだろうか。
保険適用された
私たちのケースは結果的に保険適用された。
といっても、集中治療室に数回の手術とそれなりに高額だったため、高額療養費制度を使い、限度額適用認定証を取得した。
具体的な金額は書けないが、
当分夏休みの旅行など行けないし、ここでゆっくりのんびりバケーションを過ごすつもりでいましょう。
なんてことを主人と話した。
民間の保険の方は請求はしていない。
とてもよくしてくださった主治医に、書類記入などこれ以上お手間をとらせたくなかった。
また、私たちの親からも金銭的な援助をいただいた。
本当に感謝している。
あの子はたくさんの方々のお陰で生きている。
つづく。
おわりに
このページは自殺未遂をした家族(子ども)を抱える私の体験を振り返ったものである。
こんなプライベートなことを、ブログという媒体を通して全世界に公開しているなんてどうかしている、と自分でも思う。
私の個人的な体験を振り返ってもあの子が自殺未遂をした事実は変わらないし、それを受け入れる日が来るのもわからない。
でも、なぜか書き残しておきたいとずっと思っていた。
少しずつ、あの日もその前からもずっと記録をつけていた手帳を元に記事にしていきたい。
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